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青野 典子
- Aono Noriko -
 保育の現場だけでなく、学校も福祉の現場も、出会った人たちが口をそろえて言っています。報告書などが増えて、本当は一番必要で大事な、ゆっくりこどもと向き合い付き合う時間を作れなくなっているということです。
 こどもとの時間を奪っているのは誰でしょう。記録や報告書の数々は誰が安心するためにあるのでしょう。もう一度本当に必要なことは何か考え直し、私たちは「やらない」ことの選択をしていかなければならないのではないかと考えています。
 岡崎さんは学校で会議の数を減らしたら、他のことをする時間ができたし、会議を減らしても問題なかったと言っていました。何かをやるためには何かを削らなければできません。体と気持ちをすり減らして頑張るのではなく(そういう時もあるけれど)、『ち・お』『お・は』で情報を得ながら、現場から少しずつ変えていきたいと思っている今日この頃です。
 

石川 憲彦
- Ishikawa Norihiko -

 
 以前、プチちお(6号)に「精神医学的にみると、トイレのしつけは、最大の外傷体験のひとつです」という記事を載せました。
 オムツはずしがテーマだったのですが、私は、そもそもオムツをつけること自体が問題だとする持論を展開しました。それは、「オムツをする生き物は人間だけ」というところから始まって、“汚物”とされるものが持つ自然循環上の意味に触れ、排泄をコントロールすることが人間への加害性になるとする文でした。

 最近「おむつなし育児」(柏書房)という本が出版されました。岐阜県で日本の育児を体験したことに触発された、アメリカ人のフリーランスライターの著作です。その内容は、概ね納得できるもので、ちょっと推薦したくなりました。ただ、私には、母乳育児を、ついうっかり推奨しそうになって止めた、ニアミス体験があります。オムツなしは理想で、大賛成なのですが、私の先の文章が次のように締めくくられている点(一部分かりやすいように改変)も、忘れないでいただきたいのです。

 「親子でトラウマに悩みながら育ちあうのも、とても貴重な人生です」

 誤った「しつけ」、つまり大人の「おしつけ」は、あんまり、よくない。でも、誤ってしまったら、命にかかわらない限り、いつでも取り返し可能。この取り返しこそ、人生の醍醐味。だから、生命の軽視以外にはあまり細かいことにこだわらないでいたい。そうでないと、自己管理のわなにはまって、あやまった方向に支配されてしまう。

 ・・・などと、あいかわらずややこしく考えてしまう、やっかいな編集委員です。
 

大谷 尚子
- Otani Hisako -
 3人の子どもがいつのまにか、足下から巣立ってしまいました。そして、それぞれの連れ合いのご両親とのおつきあいが始まりました。これまでは身近な同世代と言えば、私の弟妹と夫の弟妹でした。同じ生育環境であり、住んでいた世界は了解可能な範囲だったと言えます。今回、子どもたち夫婦を間に置きながら、それぞれの親として「お見合い」状態で新たなおつきあいが始まったわけです。こちらの意思には関係なく、ある意味、強引な形での親戚関係が築かれたといえましょう。
 その「親戚」になった方々は、きょうだいやこれまでに体験した学校の同級生とも異なる方々ですが、同時代を生きてきたということでは共通の話題もあり、話があう部分も多くあります。でも、自分とは全く異なる世界を生きてきた人達のようです。今目の前にいる「大人」の姿に接しながら、どのような「子ども」時代を過ごしたのだろうか等、「親戚」ということから、個人的生活にも立ち入ることが可能であり、その生育歴に興味がわいているところです。
 また、子育てが終わって、今度は、自分たちの課題に真剣に向き合わなければならない時期に入った者たちです。「親戚」ということで、これからの生活に互いに影響しあう関係になるようですから、自分たちの老いていく姿を思い描きながら、立ち入った問題も語れるようになれればいいなあと思うこの頃です。
 

岡崎 勝
- Okazaki Masaru -
 大きな声より、小さな声の時代なのだ!

 どんなときでも、旬の話題を、原則的に、かつ理想と希望を失わずに作っていきたいと願っています。情報が過剰なこの時代に、自分にあった、等身大の、でも、一本筋の通った内容が欲しいと……私自身が思いながら、関わり続けてきました。
 読者のみなさんが、自分の暮らしを見つめ直すだけでなく、編集委員としての私自身が暮らしを見直したいと思っています。
 ともすると、70号という重さに、無難で、安全で、さしさわりのないところで妥協してしまおうとする自分がいます。子どもだけでなく、孫たちのためにも、そして、それが世界の今ここに生きるすべての子どもたちにつながると信じて、みなさんと作って行きたいと思います。
 「こんなおもしろい雑誌があるのよ」「こんな厳しい意見で、生活を見直そうという雑誌があるのよ」また、あるときは「自分の考え方は、少ないように見えるけど、正しいんだ。言ってみる価値はあるんだ!」と周りに教えてあげてください。
 過剰な宣伝・情報に巻き込まれない、読者の皆さんのひと言で、『ち・お』は生き続けると思います。「絶対」とか「必ず」などと言い放つ「専門家」よりも、私たちの素朴なまなざしや、想いが、うんと意味があり価値があるのだと信じて疑いません。

●岡崎 勝のページ
 
http://www.mb.ccnw.ne.jp/m-okaza/index2.html
 

北村 美佳
- Kitamura Mika -

 38年間の養護教員生活を退職。その大半を東京の“下町”で、 夜間定時制高校の生徒たちと過ごし、“何でもあり”の日々―

 頻発する「小事件」に、「会議」の連続。駆けずり回っていた現役 時代が懐かしい。それもなんだか遠い過去の出来事だったようにも 感じる今日この頃です。

 “フリーの身”となっての「お楽しみ」に浸ったのも束の間。一 人っ子の私に、老親二人の遠隔地介護がついに……です。医療や福 祉・介護の問題に直面。「個人」「家族」が責任を負わされてしま う現実。「いい娘」「いい介護者」であることにも限界がありま す。気持ちに“ゆとり”があって「優しさ」も取り戻せるのですよ ね。“手抜き”と“気分転換”が目下、私の課題。久々に親子の葛 藤に揺れる不思議な情感を体験真っ最中です。

 『ち・お』も15周年。厳しい業界にあってなかなかのもので す。読者の皆さんが、大切にしてくださっていることに感謝です。 社会構造に目を向け、価値観を見直そうという雑誌であることが 『ち・お』ブランドでしょう。どうか今後とも『ち・お』を応援し ていただけますように。

 
 



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